開業から3年目。

地道な営業活動と誠心誠意精一杯の仕事ぶりが評価されたのか、おかげ様で仕事の依頼も増えている。

大体NOとは言わないし、自身のリソースを超えるものも可能な限り他の事業体を紹介したりして困りごとには全力対処している。

とはいえ世の中には話が全く通じないという一点において突き抜けた人々もおり、今後そういった方々と出くわさないようにするのが課題であったりする。

そんな当職のストレスなぞお構いなしに今日もウォールームに無理難題のメールが舞い込む。

さる事業承継M＆Aの買収調査案件（財務DD）の依頼。

何百件もの会社を見てきてるから資料依頼の仕方も万全。買主候補とのコミュニケーションもばっちり。

調査先の繁忙期も避けてバッファも十分。

わからないところは調査外で赴いて説明しますと明らかに過剰な思いやり。

足は出るけど、まぁいいさ。

中小企業の出口戦略に携わる実務家は極めて少ない。今後の社会貢献のためにも啓蒙かねて丁寧に丁寧に、先方の不慣れにも我慢我慢。

とはいえ1ヶ月音沙汰無しはないだろう。

こちらの助け舟を「無用であり自社でやる」とはねのけ、詳細な資料ならまだしも会計ソフトからでる帳簿も出さないとは文明人の所業じゃない。

温厚で知られる当職も主張するとこはしようと連絡するも相変わらずのシカト。

こちとら他の予定いれず当該案件にアサイン入れてるので実害も出ている。

買主候補と言えばひたすら平謝り。

矢も盾もたまらず調査先の顧問税理士にカチコミしたら『月に3万円で、そこまでする義理はない』との返答。ぐうの音も出ない正論にお互いエールを交わし架電終了。

本当にその通りだよな。

生殺与奪の権を月に3万円で高いとか文明人の言葉ではない。コーラの瓶で争い起こるレベルの話だよ。割とマジで。

結局、案件は先方のあまりの不誠実さにディールブレイク。

FAでもなんでもない立場なんだけど、買主とのお喋りの間に「どうしたらよいと思います？」と私見をもとめられたので「え、まだ買うつもりなんですか？」と素で返答してしまいましたよ。

※ごく近い将来、銀行から事業計画・資金繰り表・月次試算表の提出はかなり強めに求められる事になります。

　　当該指導ができるプレイヤーはかなり限られ、多忙を極めております。ある日突然求められて、備えができていなかったら対応不可。

　　見えてる地雷を強制的に踏まさせられることのないように今すぐ対応した方が無難ですよ。

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